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注文住宅を建てるなら、日中は明るい日が差し込むような空間にしたいと思う方がほとんどでしょう。しかし窓の位置などによっては、思うように光が取り込めないことも。このページでは採光のポイントなどを分かりやすく解説します。
採光というと、どうしても日当たりの良さを表すと思いがちですが、実は採光と日当たりは全く関係ありません。採光とは室内に自然の光を取り入れることを指し、定義自体は非常にあいまいなものです。つまり隣の家などで日当たりが悪い、北向きであったとしても計算上で採光の基準さえクリアしていれば採光の良いスペースと考えられます。
住宅などの建物を建築するのであれば、必ず建築基準法を遵守する必要があります。建築基準法上では住宅・居室に対し、採光に有効となる窓などの開口部を設けなければなりません。採光に必要な面積は、その居室に対する床面積の7分の1以上にあたる面積と定められており、それを「有効採光面積」と呼びます。ただしトイレ・浴室・洗面所・収納スペース・キッチンなどは居室とみなされないため、採光のための開口部は必要ありません。
建築基準法で採光の面積を算出する際に「採光補正係数」を用います。これは道に窓が面しているかどうか、敷地内にある別の建物との距離・高さなどを加味される数値です。
家を明るくするためには、方角に合わせて窓を配置することが大切です。ただ方角に関係なく、窓の位置を低めにすれば光は差し込みにくくなります。また周辺環境によっては、窓を設けることでプライバシーが守りにくいケースもあるので注意しましょう。
窓を設けるときには、間取りと合わせて考えることが大切です。
明るい空間にしたいからと言って、窓を大きくする、多くの場所に設置すると後悔する可能性があります。それは窓がなければ、基本的に壁として活用できるからです。もし壁として活用できれば収納棚を設置しやすくなり、片付けしやすい空間づくりができるでしょう。
また窓があれば外気の影響をきたしやすいという問題も発生しやすくなります。遮熱性の優れた窓を設置できれば問題はありませんが、夏場にエアコンが効きにくくなる、キッチンにある食材が傷みやすくなるなどのリスクがあるでしょう。
さらに防犯の問題も考えなければなりません。住み始めた当初は隣に住宅がなくても、年数が経てば隣に家が建ち、住宅の中が丸見え状態になることも。そのためシャッターやカーテンを1日中つける必要も出てくるでしょう。もちろん最初から隣家があるなら、窓の高さなどを配慮して設置することが大切です。